2020年8月13日、アメリカ大統領のドナルド・トランプが、アブダビ皇太子のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン、イスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフとの電話会談をホワイトハウスの執務室で発表する形で合意が明らかとなった[5]。
この合意によりアラブ首長国連邦は1979年のエジプト・イスラエル平和条約、1994年のイスラエル・ヨルダン平和条約に次いでイスラエルと国交正常化したアラブ世界の国で三番目となる[2][6]。同時にイスラエルはヨルダン川西岸地区の併合計画(英語版)を保留することも合意した[7][8][9]。ヨルダン川西岸地区は1967年のイスラエルによる軍事侵攻(英語版)によって事実上イスラエルの支配下に置かれていた地区である[10][11][12]。
両国の国交正常化を促したのはイランとの緊張が高まったこと(英語版)による。アラブ首長国連邦が独立した1971年以降、長年アラブ首長国連邦はイスラエルを"敵"として認識していたが[13]、両国のイランとの緊張が高まったことによりアラブ首長国連邦とイスラエルは水面下で関係を深めていた[14] 。2015年7月14日にイラン核協議に関する最終合意(英語版)がなされるも、イスラエルはイランが核兵器開発計画を秘密裡に実行していることを疑っており(イランはこのことについて否定している)、イランの核兵器開発計画によって周辺国の治安に影響を与えると考えたアラブ首長国連邦とイスラエルは非公式に軍事協力などを結んでいた[14]。さらにイランはシリア内戦やイエメン内戦といった代理戦争において反米勢力を支援しており、このことが親米国家のアラブ首長国連邦とイスラエルとの対立を招いた[15][16]。
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